グロースハックサービスで有名どころが集まるイベントということで気になり参加しました。
イベントの内容はタイトルが指すような企画、マーケ、…といった各論ではなく。
総じてグロースハックをしていく上で、各社サービスであればこういった改善ができます、といったお話でした。
日時:2017/05/24 (木) 19:00 〜 21:00
場所:Yahoo!Japan 赤坂見附
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1. 講演挨拶
Yahoo!高田徹さん
ヤフオクアプリ、経営戦略本部長
いま2ヶ月目
過去はいままで広告をやってきた。
Yahoo!はアプリファーストにシフト
ヤフオクアプリ(※ニールセン調査)
9.7Millioユーザー
ロイヤリティ
アプリのほうが定着率、収益性が高い
PDCAサイクル
アプリは設計が命
iOSは審査が大変
Key Success Factor
Metrics(ユーザー属性、デモグラ)
Push(スマホの体験)
Tracking(PDCA)
Quality(バグ出さない)
2. App Annieデータから見るアプリ市場トレンドとアプリ企画・運営のポイント
App Annie
向井俊介氏
ゴール
企画、運営において、AppAnnieのデータあったらいいと思ってほしい。
クイズ
2016年、収益学が多かったのは?
モンスト
iOS/Google DL数が3番目に多かったのは?
SNOW(1700万)
単月比較で、2014年と2016年で成長率高かった国のは?
パキスタン(1,950%)
GooglePlay
インドの隣、アプリ大国
これは、世界中のアプリのデータをもっているからわかる!
向井さん
B2Bでセールス15年
AppAnnie
世界アプリデータのプロバイダー
2010年、サンフランシスコ
170億円出資してもらったので上場しないと。
どのクリエイティブ、インプレッション、CPIとか。
ゲームの主要どころ。
金融も増えている。ファクトデータ。
本日のアジェンダ
・市場の概況
・App Annieデータについて
60分のスマホ利用のうち53分。
メディア接触はアプリにシフト。
利用時間は伸びてる
インドが最多
1日あたりの利用時間は韓国が最多
数字をみると頭打ちではない。
年率20%くらいで売上も伸びている。
ゲーム以外がゲームを侵食していく流れがある。
新企画とかで使えるデータとは。
「データ使う目的」として、分析者が共通で言うこと。
「問題を解決するため」の裏付けが欲しい。
↓
分解して各要素を深く理解する(ここでデータを使うべき)
↓
結合させて結論を出す(ここで使うと失敗する)
↓
反復
事例(Amazon vs NETFLIX)
アマゾンプライムムービー
コンテンツを8本作成して、無料で公開した
どこで停止したか、離脱したか、繰り返し見たか、のデータを採取
"Alpha House"
平均7.4に対して、7.5の評価
対して、NetFlix
レビュー、監督、主演
"House of Cards"
評価9.5
リスクを追って、制作した。
データ
細かい理解をするにはデータがいい。
結論をデータで出そうとすると謝る。
20〜30代の女性
(女性学生から子育てママさん層まで)
どこをベンチマークすべき?
メディアに取り上げられるアプリを基準に選ぶ
発表されるDL数や会員数を基準に選ぶ?
小売業データの例(A~I社で社名は伏せている)
MUJIとか。店舗数が多いのはDL数多いのはその通り。
アクティブ率多いのは東急ハンズのアプリ
本当に見るべきは?
MAU(たくさん見てもらう)
Sessions(店舗に多く来てもらう)
Session Time(滞在時間)
自分たちの立ち位置と、「優位性や改善箇所」を明らかにするのが大事
DL数、収益
ランキングアルゴリズムは変動している
最近は、ランキングがDL数に直接寄与しないようになってきた
AppAnnieユーザーには、マーケバジェットの配分最適化や、提案の精査ができるようになってほしい。
利用状況
DL数伸びずとも、測るべき指標は他にもある。
成功するための材料は何か?を定量な根拠として把握する
スパイクするタイミング
どのタイミング
どれくらいDL数
休眠ユーザーの掘り起こしに有効とか
利用者数、回数、時間、様々な試作にどう相関性あるのか?を調べる。
競合を知る
他のアプリに可処分時間を盗られてる
メルカリと競合(このアプリに時間を割いている)
C Channel
ロカリ
Spotlight
クラシル
リテンションレート
3日でリテンション上がる(何かしている?)
7日でリテンション上がる(何かしている?)
AppAnnieは結果データをもっているので、それから推測。
機能追加事例
UNIQLO
ユーザー数(6ヶ月ぶりに客数復活)
利便性向上
不満解消
下記に効くデータをもっています
どの広告がインプレッション?
利用継続してもらうため
定量、定常的にデータ。
twitter: @AppAnnieJapan
3. モバイル計測ツールの概念を超えて
AppsFlyer
クライアント潜在ニーズさえも解決できる「モバイル計測ツール」
オオツボさん
2社は競合しません
管制塔:AppAnnie
コックピットの中の情報:AppsFlyer
本社はイスラエル。
コロンブスの卵
概念を超える話し
計測ツール
検証のため?
計測SDKは審判である
結果を出すひと=エージェンシーとか
市場にはフラグメンテーションが起きている
広告主、アドネットワーク、ユーザー
広告主、AppsFlyer、アドネットワーク、ユーザー
2017年のマーケターの課題
1. 忙しさからの解放
2. ROI改善
3. 不正検知
4. リテラシー
5. サービスアプリ化
→どうすれば解決する?
AppsFyler
世界シェア65%
SDKインストール、アンインストール数で最高評価(MOBBO社調べ)
課題1:忙しさからの解放
リアルタイムでコスト&ROIのリアルタイム分析
管理画面カスタマイズ可能
管理画面上でクロス集計できる
オーディエンス構築(連携しているメディアに自動連携可能)
ライブアラート(閾値チェック)
モバイルアプリもあるので、そこから閲覧可能
課題2:ROIの改善
アンインストール測定
流入経路がわかる
休眠ユーザーとアンインストールユーザーの区別ができるようになる
ファーストタッチ Twitter
セカンドタッチ AppLovin
サードタッチ GoogleAdwards
ラストタッチ Facebook(ここしか見ないと誤る)
TVコマーシャルの効果測定
代理店アカウントの開示
レポート数値をユーザーも確認
オムニチャンネルLTV
BeforeとAfter
課題3:不正対策
グローバル
動画広告の23%が配信詐欺
インターネット広告費1.6兆円、うち2,600億円を無駄に支払っている
不正種類(インストールハイジャック、マルウェア)
メディアクリックしたかのように見せかける
不正種類(クリックフラッド)
大量のクリックを配信して、無関係なダウンロードを促す
不正種類(インストール詐欺)
クリックセンターでBot等でインストールを繰り返す
新規端末比率をAppsFylerはデータ持っている、不正検出可能
インストール量産、100%
アクティブ不正防止ソリューション(DeviceRankを適用化)
Active Fraud Insights管理画面で検知可能
不正が発生すると、配布直後の挙動がおかしい
(啓蒙のため)以上のような内容をまとめた、モバイル詐欺用語集サイトもあります
課題:リテラシー、透明性
中立性、クライアントと代理店の中継ぎ
課題:サービスのアプリ化
ユーザーとのエンゲージメントが高まる
昔はメルマガ、いまはアプリのPush通知
事例
カネボウのSmileConnect
カネボウのドングルをもらってジャックに挿入すると保湿量を測定可能
アプリシフトの時代
コンティンジェンシー理論
技術が組織を規定する時代
アプリ制作ツールのご紹介
Monoca
Yappli
ApplsFlyerの及ぼす効果
モバイルマーケのファネル全体に優れた効果を発揮
プロモーションのための計測ツールとして。
4. アプリの成否は導入期にあり ~意識すべきKPIとグロースハック手法~
Repro
代表取締役 平田裕介さん
アプリ成否は導入機にあり
導入すべきKPIとグロースハック手法
ReproはAppsFlyer推し
なぜアジャストを使用しているのか?
代理店に有利に見えるデータ
経歴
1980年36歳
4カ国
3回目の企業
本日アジェンダ
1:アプリビジネスの典型的な失敗事例
2:サービスライフサイクルとKPI
3:導入機のグロースハック手法
グロースハック
水漏れしないバケツを作ろう
累計コスト(例)
開発:6,000万円
プロモコスト:2,000万円
→いきなり広告全力投下せずに、まずは100万円くらいを検証にまわして欲しい。
アプリ周りのサービス持っている
企画、開発も可能
ユーザーがどう使っているかを動画で確認可能
ユーザーのターゲティング
アプリのPush
リタゲも可能
Reproユーザー
46カ国
3,500アプリ以上
非ゲームで強い
サービスライフサイクル
導入期
成長期
成熟期
衰退期
例)フリル先行、メルカリが広告でシャア獲ったみたいな話し。
導入期
継続率、コンバージョンレートを見る
(競合はAppAnnieで判断)
成長期
CPA優先
成熟期
LTV優先
衰退期
利益率
テーマ
・改善・アプローチ
・アプリ内マーケアプローチ
ユーザーコミュニケーションの設計が大事。
UIのみになってない?
Ken.G
株式会社トラクション
グロースハッカソン主宰
週次で下記を回す
①リテンション分析でマジックナンバー特定
②ファネル分析で離脱箇所を特定
③定性分析で離脱要因を特定、改善
例:スマービー社が上手い
改善施策の効果をReproの動画で確認
①マジックナンバー
解説
例:Twitterの黎明期、フォロー5人以上だと継続率高い。
どうやってマジックナンバーを見つけるの?
Reproでは、コホートから、クエリを絞る。
お気に入り、1回より3回のほうがリテンションレートが上がっている。
3回させるにはどうようなUIにする?という発想になる。
結果、1ヶ月で140%ほどレートが改善した。
1回:
3回:
マジックナンバー分析(例図)
縦軸:1週間後の継続率
横軸:ユーザー数
※この項目を、ユーザー数増やすような施策が必要となる。
「ファネル分析」「定性分析」でアプリ改善
イベントごとに…なぜ落ちたのか?
ユーザー行動を定性的に分析する(動画で確認可能)
アプリ内マーケは大きく2通り
Push通知
リテンションレートの改善
アプリ内メッセージ(ポップアップ)
コンバージョンレート改善寄与
継続率改善の経済効果
広告予算 500万円
獲得ユーザー数 10,000人
1ヶ月後残存ユーザー数 1,500人→2,000人
※Reproがあれば、リテンションレート5%ほど向上可能
イケてないアプリ運用
全員に同じメッセージを送る
あるべき運用
レベル感に応じてメッセージを変える
「コミュニケーションの最適化に近道なし」
シナリオ作成
(縦)ユーザー行動
(横)ユーザーステージ
仮説を作る
シナリオを試す
シナリオ作成(導入版)
ステージ、ユーザー状態、成長阻害要因(仮説)
仮説を徹底して作るのが良い
1〜2時間くらいの作業でやってみる
各ステージについてエンジニア相談
効果検証しましょう。
各フェーズで良かった、悪かったを抑える
改善案の策定
施策を見直す OR シナリオを見直す
Who
When
What
How
最新事例、リッチPushは120%ほど効果高い
メルマガ「グロースハックジャーナル」あります
5. クラッシュがアプリを殺す ~アプリ運用における品質管理~
FROSK
「クラッシュがアプリを殺す アプリ運用における品質管理」
運用の守りの部分
2012年
Business to Developerをコンセプトにスマホ開発者向け支援ツール
SmartBeat
3年間の知見
導入 1,500アプリ
MAU 1.5億人
エラー検知数 1,000万件/day
アプリが落ちる
アプリのレビュー
品質問題のコメント
良い☆5つ
落ちる☆1つ
レーティング平均 3.59
落ちるを含むアプリ平均 1.96
ダウンロード数への影響大
70%のひとがレビューを読む
評価1アプリは90%のひとがダウンロードしない
継続率へも影響
リテンションレート
クラッシュ経験ユーザーはそうでないユーザーより辞めやすい
なぜアプリが落ちる?
コード起因
配列数がダメでException
init(初期化)と alloc(メモリ領域)の記述順が逆だったり
xcodeで環境設定ミス、SIGABRT
多様なデバイス、実行環境
画面サイズ
メモリ容量
CPUパフォーマンス
FROSKの端末
Androidの上位20デバイスでもシェア40%に満たない
多数のiOSバージョン(断片化)
2012 -> 2017...
iOS 10
Android N
品質保証が求められる
Androidはバラバラ
iOS自動アップデート
リリースされたらすぐに動作保証する
クラッシュOSアップデート事例
OS仕様変更
iOS10でユーザーデータアクセスの歳、Info.plistに使用目的記述とユーザー許可が必要になった
API仕様変更
iOS以前は”en"だったものが、iOS9からは”en-US”のようにハイフンの言語と地域の表記が必要になった
OS挙動変更
rootViewControllerの初期化しないとクラッシュ
OS自体の不具合
iOS9アップデート後、Frameworkで不具合発生。
アプリへの継続的な機能追加
平均回数 1.6回/month
なぜ、アプリが落ちるのか?
実装、設定不具合
多様なデバイス、OS断片化、継続的な機能追加
クラッシュ問題への取り組み方
Smartbeatの活用方法
Smartbeatとは…
SDK入れて稼働する。
自動、リアルタイムで動作。
Webコンソールで確認。
クラッシュレポートが取得できる。
スクリーンショットもあり。
アプリバージョンとエラー別にグループ化される。
影響の大きいものから直しましょうと方針が取れる。
品質の可視化
平均クラッシュ率。
業界平均の値も見れる。
改善事例
クラッシュ数の削減
運用のリスク最小化
クラッシュ率が基準値以上なら不具合修正
基準値未満ならアップデート通知
平均値
アプリ 0.5% ~ 1%
ゲーム 3% ~ 4%
顧客満足度の向上
不具合についてバージョンを聞かなくても良くなる
まとめ。
FROSKのミッション
全世界の開発者の貴重な時間をセーブする。
コンテンツの開発に注力できる環境のためのツールを提供する。
以上です。
本日の学び
- 言うなれば、AppAnnieは航空管制塔、AppsFlyerはコックピットのコントローラ。お互い競合ではない。
- データは原因究明に使うべし、データから直接提案に持っていくと市場に合わなかったりしてハマる
- 他社を真似たKPIではなく、期待する効果を測る自社のKPIを設定しよう
- 流入経路を正確に把握できるようになれば、アトリビューションの見当違いや、不正インストール防止が可能
- シナリオ(仮設)立ててPDCAを回そう、PDCAを回しても改善されないならシナリオを見直そう
- レビュー値低いアプリはダウンロード伸びない、アプリクラッシュでレビューの平均値下がるから要注意
■ 音声データ
こちらまで(※133MB)