FUJILOG

見た、聴いた、触れたこと。 動かしたもの、書いたもの。 ウェブとリアルの備忘録です。

デザイン夜塾第6回講義録 - TeamLab猪子寿之さん

Twitterで猪子さんのbot発見、そこでピンときた言葉を引用。

本来インターフェースなんて必要なくて、ユーザーは思うがままに操作したいはずだけど、テクノロジーが未発達なので、仕方がなく使っている http://bit.ly/6kDtAK

第6回デザイン夜塾@デザインアソシエーション
http://www.design-channel.jp/special/academy/

チームラボの作品群と活動を通して、ものづくりへの”考えるヒント”を伺いました。


下記、メモ。

チームラボは、概念やテクノロジー、デザイン、アートを捨て、曖昧なところのものを(…)ウルトラテクノロジスト集団。

現在200名在籍、東京・上海にラボがある。


◇作品紹介①「TeamLabハンガー」
→ハンガーに掛けられた服を手に取ると、それを着た自分のコーディネート映像がスクリーンに投影される。




”New behavior, new interface”
服が気になったら手にとる
手に取る行為=情報行為

プロダクトは単なるネットワークの向こう側と物理世界の我々のあいだに、仕方なく存在するインターフェースとして、再構築してみる実験。

プロダクトの価値≠ハードの機能
プロダクトの価値=ソフトやプロダクトデザインの場、という仮定式を成立してみる


◇作品紹介②:「コレカモネット
Twitter上のつぶやきで、東急ハンズ無印良品の在庫商品が推薦されるリコメンドbot

自然言語検索&擬人化


◇作品紹介③:アニメーション・ジオラマ「花と屍」2008.12.12.-12.21
→日本の文化をフランスで展示、プロダクトの映像空間演出

空間の付加価値=映像デザインや物語を加えること


~花と屍(HANA TO SHIKABANE)~ from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介④:「100年海図巻」
→全長23mの"コ"の字型の壁への投影映像作品、10分間。

100年間で海面水位が100センチメートル上昇した様子をイメージ

昔の人の空間認識は現代人のそれとは異なっていたはず
現代は西洋的なレンズ・カメラ・ビデオを透しての認識感に慣れている

見る場所が固定しているのは西洋的
View Point が定まらないのが東洋的ではないだろうか?

壁面のつなぎめの角で波が曲がらないような錯覚を見せる

日本的空間認識の再評価の実験


百年海図巻100years sea from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑤:「空書」
→2007年、書の再構築

メディアの中心は紙からデジタルへ。
かつて古代の人々が、亀の甲羅に文字を書いたときに起きた変化と同様に、書を再構築したらどうなるのか。


mudai(kuhsho) from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑥:「スケッチピストン
→参加可能なメディア

2010年、日テレダベアのTopページやワコムタブレット”Bamboo Play Room”
落書きできるWebページ、描いたペンやスタンプで音を載せられる仕掛け。

おしゃれなものより、ユーザ参加の方が嬉しいのでは?
できなかったことをできるようになると嬉しいという体験から


◇作品紹介⑦:「CountDownJapan 08/09」
→ユーザに焦点を当てた企画、ダンス風景をスクリーンに投影

映像でダンスフロアを囲む


countdown 08/09 from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑧:「TeamLabボール」
→1個直径1.5メートル程の球体
触ると色が変化する、内蔵の無線装置で1つの球体の色が変われば、他の玉の色も変わるP2Pのような仕組みも搭載


TEAMLAB Ball02 from TEAMLAB on Vimeo.


◇作品紹介⑨:「舞踊、早乙女太一」背景映像作品
2010年、背景映像を提供。役者の動きに併せて、舞台背景の映像”華・竹やぶ・川”が連動。
舞踊と一緒にしたことで、ライブ感を演出。


インターフェースデザインはメディアアートと曖昧になる。
メディアアートはソフトウェアやテクノロジーによる。
これまでの切り分けの概念は意味をなさなくなるのではないか?

これからは「おもろ(おもしろ)ハイテク・おしゃれハイテク」が鍵になると考える。

【Q&A】
・質量があるとダサい?について
→上海万博のUKの展示物が好み。軽い。光る。風にたなびく。解体して持ち運べる。




・発明発想の原点について、クライアント要請から作る?アイディア先行?
→技術先行の場合もある。やりたいことは沢山あるので、それにマッチすればベスト。

・本質的なもの
→茶室が好き。形式よりも表面。なんでその文化が重要なのかの意味が大事。
西洋はバランスとれる美しさ、東洋はバランスを崩したとことに美しさを見出す文化。
本質を変えないものが良い。

・他社のコラボは?
メディアアート系他社をリスペクトするが、一緒にはやらない。
予算、時間に限りあるため。
自社でできない遠い分野の専門家とはコラボする。


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メモは以上です。


下記個人所感。

作品①:
ユーザの持ってる服画像をまとめてDB登録しておけば、店舗商品との組み合わせがしやすそう。今までは脳内で済ませていたようなことを可視化するのはアリかも。

作品②:
東急ハンズの在庫DB気になります。
巨大在庫で商品提供力のある店舗とネット活用の好例かと。

作品③〜⑥:
デザインできる方々がうらやましいです。
スクリプト書くだけで終わらないFlash界は奥が深くて…

作品⑧:
Arduino好きです、電子工作萌え。