FUJILOG

見た、聴いた、触れたこと。 動かしたもの、書いたもの。 ウェブとリアルの備忘録です。

参加録「中国IT研究会(第一回:WeChat編)」

イベント 日時:2017/08/25(金)19:00-21:00 場所:渋谷某所

Facebookのイベント告知で知りました。

主催者は呉培宏さん。 もとATカーニーコンサル出身で、現在起業家。 イベント開催の趣旨は、日本の中国ITに関心ありメンバーでネットワーキングしたいとのこと。

第一回のテーマは「WeChat」についてでした。 以下メモです。

アジェンダ

  1. 決算書のテンセント(香港上場)
  2. WeChat機能と成長の軌跡
  3. B2CでのWeChatでの利用法
  4. チーム別ディスカッション

WeChatについて

考える上での視点は2つある。

  • 一つ目はサービス提供者視点。今日のメインはこちら。
  • 二つ目はサービス利用者視点。

WeChatの特徴

  • 日本、中国の機能差がある
  • バージョンごとの機能差

アプリの提供元
- テンセント社(上場しているので株買えます、現在中国のAI投資を先導)

時価総額40兆円、世界7位
- TOYOTAの2倍
- Appleの半分

テンセント 1999年2月当時の提供サービス
- QQユーザー6億人くらい
- QZone(Mixiのようなもの)

2011年1月リリース
- Weixin&WeChat

企業も利用、このアプリで仕事が完結するほどの普及率。

2016年売上2.5兆円
- 粗利は7,000億円
- 成長400%
- PER60%

2016年  Tencent(200億ドル) 9億人  Facebook(250億ドル) 18億人  LINE連携は12億ドル

テンセントのビジネスモデル

Value Added Service  ゲームが多い Ad  広告 Others  クラウドサービスも提供

ゲーム市場  TOP10うちランキンが5個

Supercellも買収

テンセント  71%が個人課金  18%が広告  11%がその他(モバイル決済、クラウドサービス)

Facebook  97%が広告 LINE  52%、さらに66%がスタンプ  39%広告

テンセント  ユーザー一人あたり17ドル  広告で4.3ドル  Facebokoが広告14.5ドル

テンセント戦略

  1. コンテンツとサービスでユーザー囲い込み
  2. 企業広告やCRM、決済サービス提供
  3. テンセントはデータもとに、ネット未開業界をさらに開拓

企業のB2CのCRMツールとしようという意志が昔からあった

LINE  1アカウント1,000万円くらい テンセント  400元=6,000円でアカウント作成可能  みんな出店する

自社サービスだけでなく提携先を増やしている  Category Leadersと。  Eclusive Content   Video、Game、Musicに投資

テンセントの投資先

 中国、アジア圏、新興国  インドのオンラインプラットフォーム  ナイジェリアのオンライン決済  投資に値する会社(ゲーム会社、IPホルダー、あとAIも)

年間1兆円ほど投資している  フリーキャッシュフローをほぼすべて投資している  納税は大事な国

WeChat位置づけ

中国人のネット時代のユーザー入り口にしたい

トラフィックを1つのAPPに統合したい。  アリババはAlipayなど別APPなのが違い。

WeChatはPayment、EC購買、ミニプログラムなどすべてWeChat。

QQからの移行。  500万ユーザーくらい。  QQとWeChatは中が悪い。

みんなでABテストする、社内で意図的に戦わせる。

WeChat機能群

・WexinTOP ・連絡先  アカウント(公式)   2つある広告チャンネル    ディスクリプション(1日1回のみ配信)    サービス(週一配信))  意図してないと広告が見れないようなUXの

・Timeline  最も頻度高い

・発見  付近のひと(出会い系、初期は流行った)  ゲーム  ミニプログラム(振るとポイントもらえる等)  AppStoreがこの枠で公開できる

※ WeChatアカウントあると勝手にミニプログラムが入る  Appleとしては広告出せないので嫌がる  ミニプログラムのほうが簡単に開発できる(※SDKありそう)  企業アカウントフォローするとミニプログラムが勝手にインストールされるらしい

・マイページ  ペイメント  お気に入り  写真  会員カード  スタンプ

タイムライン

ペイメント  クレカ返済  携帯料金チャージ  投資  行政サービス(病院予約、運転違反、生活費支払い、家賃、公共税、法廷、…)

モバイク(自転車) 携帯チケット 鉄道 タクシー EC デリバリーサービス(美団) 映画チケット レストランレビュー ホテル 出張サービス(58)

※投資  銀行より利率よく、テンセントが代行で運用してくれる  Alipayもできるらしい。  法律より先にサービスができるようになった  チベットウイグルがペイメント利用率が高い

WeChatユーザー拡大の歴史

Ver1.0から

2010年10月開発開始  USA Kickメッセンジャー流行った  数十もの同様サービス

Foxメールの開発者

3ヶ月500万MAU 初期ユーザーはQQから、簡易IM

1500万MAU  TackBoxにならった音声メッセンジャー機能

付近の人機能  2011年で5000万ユーザー

2012年3月  1億MAU  グループ機能、News

2012年5月 タイムライン機能  当時は画像付き、文書はかけない人向け  位置情報、API機能を追加

2012年8月 リアルタイム通話機能

Ver5.0 2013年8月  2.7億MAU  ゲーム+WeChatペイメント公式アカウント  →B2C取り組みスタート

※タクシー200円乗ったら300円もらるようなキャンペーン

2014年1月  Didiとの提携  Payment利用者急増

2月  WeChatお年玉受取

Ver6.0 2014年5月  4.7億PV   2016年10月  タイムライン広告(4社に限定、ターゲットユーザーのみ。BMWコカ・コーラと…、広告出ると自慢できる)

2017年1月  ミニプログラム機能開始

WeChatポリシー

1)徹底したユーザー体験ファースト    不正アカウントを停止、運用方針徹底 2)すぐパクる  WeChatの当初  アリババのコピー 3)シンプル+外部化  カスタマイズは外部パートナー企業  生活サービス外部化  複数チームに複数バージョンを競わせる

※ 機能は少ない キャプチャ数ページ  

QQ時代は広告費用もうかってた 2009年くらい

香港上場は2004年 エンジェル、VCがたくさんいる シリコンバレー以上の投機熱

理系大学  ITエンジニアフィーが高騰  

B2CでのWeChatの使われ方

CRM的な使用法

Weibo  ニュースメディア  イベント拡散  世界観の伝達  KOL情報拡散

WeChat  雑誌型   企業情報発信  CRMプログラム型   既存顧客むけ商品配信

利用実例

Step1)WeChatペイメント  低い手数料率  QRコード

Step2)訪問客にフォローしてもらう

Step3)WeChatフォロワーへCRM利用  クーポン  ポイント  WeChat内EC  商品情報  記事配信

中国のユーザー獲得費用は高い(一人あたり7,000円くらい) 興味もってくれたひとにアプローチするのが安い

ROI高いのはBBS系 WeChat旅行系(1回記事広告15万元ほど)

WeChat  検索という概念がない  モバイルは検索しない   Googleが見越してAndroid開発した歴史

DSPを中国でやろうとしたが…  中国ではトラフィックの半数が偽物と言われる  クリック数も当てにならない  BaiduようなものはTOPページが買える

日本旅行の前には…  友人から聞く  アプリ「日本攻略」を使う

「Mafengwo」 LoneyPlanetのオンラインガイドブック  写真を添えて、キレイなサイト

CRM的な使われ方

ESTEE LAUDER  会員数100万人相当  化粧の仕方  割引クーポン  記事は10万人ほど

会員制度 ポイント交換 カスタマーサービス サンプリング お肌相談(1対1相談もOK) 電話番号ログイン

WeChat内ECで購入可能 Tmall→WeChatへの流れ

企業CRMアプリ  CRMパッケージベンダーがいる、オープンにしている  オフィシャルプロバイダーと名乗るベンダーが多数いる

WeChat  画面カスタマイズ  自分でもできる、ベンダー制作依頼してもいい  画面末尾に書いていることが多いので、どこのプロバイダー提供かも見れる


ディスカッション

Aチーム
テーマ:WeChatから学べる日本サービスないか?

  1. WeChatから学べる日本サービスでできること
  2. 他にどのようなサービス調査したいか

Bチーム
テーマ:商品、サービス販促でWeChatを業務で使う?

  1. 販促につかう
  2. WeChatで利用例

以下6名ずつ2チームに分かれてのグループディスカッション。

A team

これから
- モバイル決済
- CRMは来る
- プラットフォーム
- LINE1社では厳しい   Yitiao - 映像メディア

Alipay
- デポジット/ポイント法
- Alipay3割増

WeChatPay
- 引き出すときに手数料を取るようにした

Alibaba LIVE
- Live Streaming販売    コルク
- 映画で売る - ドラゴン桜の放映権 - 1Clickで買えるようにする

記事を書く
- 良いコンテンツが売れる。

欲しいものが欲しい時代
- ブランドや商品がわからくても、CMの登場人物が着ているものがほしい - 体験設計で購買欲喚起

FoodDelivery
- 中国は配送業者が多い - 持ち逃げ防止 - デジタル信頼経済先進国としての中国

Uber
- 個人業で運ぶ仕事を取っている。 - ジャンパーいっぱい持っている。

UberEats
- 売上40%手数料とられる。その分の定価を上げられ値段が高い。

Base
- 誰でもHPもてる - メディア機能ある

LINEがどう真似るかとか。

B team

WeChat
- 新規ユーザーを取るのが難しい - 新規ならWeiboのが拡散系なので楽そう。

WeChatグループ
- グループにコンサルしてもらうのに対価を払う - おむつユーザー(母さん)グループにアプローチできる

日本だとWeChatアカウント作成は大変
- 信頼できるところに代行でお金払うか


WeChatのポテンシャル、テンセント社の勢い凄まじいですね。