開催日時: 2018/11/14 20:00〜21:00
場所: コネヒト本社(白金高輪)
コネヒトーク3rd「ここでしか聞けない!ブランド化するサービスの裏側を大公開」 - connpass
「ひとことまとめ」
・デザイン単体では差別化困難な時代に、サービスのブランドはより重要な立ち位置になってきている
・プロダクトブランディングには運用者の人間らしさが大事
・ブランドデザインは立ち上げ初期の頃から着手したほうがいい
スライド順に記録残します。
Twitterのハッシュタグは #コネヒトーク です。はじまりはじまり。
登壇者の皆さま。
このあと乾杯の音頭でアルコールIN。
まずは自己紹介。大湯さん、太田さんは7年前からのお付き合い。有川さんはMery時代から。
講演最初は太田さん、デザインとは、CIとはなにかから。次いで、ブランド事例と。
第1部
CIとはなんぞや。企業はどのような意志をもって経営されているのかを指すもの。
AirBnBのロゴ。思想はBelo。
Appleストアの接客思想。これも会社らしさを反映。
VIとは…。
仕事例、シンボル・ロゴだけでなくUIも刷新。デザインの一貫性をもたせた。
CIの構成要素は3つ。
MI(マインド)、BI(所作、振る舞い)、VI(会社の装い)の一例。
単にロゴをつくるだけではない。
CIとスタートアップ。
スタートアップには原体験の課題感がある、思想を反映させやすい。相性がいい。
デザインにストーリーが大事説は昔からある。賢いひとなら作れるが…。
どんな思想をもっているかは模倣しづらい。それを描くのがCI。
UIのコモディティ化。話したかったこと。
8年前の事業、UIの体系化はまだの時代。iphone、AndroidのUIガイドが体系化されてきた。
TinderやHQ。各領域の類似サービスが現れるスピードが上がった。
Mediumを使うかnoteを使うかの差。それは機能面でなくなっている。
クラシルとDELISH KITCHEN。なぜクラシル?の観点。
なぜこれを使うのかの理由は機能優位性だったのは過去の話。
いまはブランドで選ぶ時代。
第2部
ブランドの作り方、概念に続き。
実際にサービスつくるときの意識したら良いこと。
ズボラ旅。LINEで相談すると予約までシームレスにできるサービス。
チャットベース。
一気通貫。
ブランディングの捉え方。
大事なこと3つ。
・サービスは主観でなく「第三者」目線
・主語は「ユーザーまたは社会」
・社会がどうなるかを考え抜く、どんな小さなことでも表現する
UIの体系化。行き着いた先がLINE。
まったく同じコンセプトで模倣されうる、ブランドが最重要。
ブランディングは見た目だけではない。
「ブランディングドリブン」
ブランドの意識。大事なこと3つ。
・すべてはプレスリリースから
・「ひとりよがり」なコミュニケーションの廃止
・応援されるひと手間を加える。
サービスつくるとき、機能追加、
はじめにプレスリリースらしきものを作る。
タイトルをつくる(一言で語れるもの)、概要(社会はどう良くなるか)、背景(現実とのギャップを埋める内容)を書く。
プレスリリースの悪例、金額がタイトル。機能だけ書いてある。自分ごととしてとらえてもらえない、伝わらない。
単なるお客様窓口でない。作っている気持ちがある。
失敗したことをユーザーに問いかけてみるのも良い。
キャンペーン失敗事例。
素直に聴いたら、200名回答してくれた。
何かしらのアクションをしてくれるのをフィードバックにとらえる。
ユーザーに報告。意見が反映された感が出たら良い。
第3部
ママリは太田さんと途中からブランディングを刷新した。そのときの振り返り。
ママリはQ&Aサイト。お母さんの困ったを解決。
2018年にリニューアル。
裏側。お母さんの3人に1人くらいが使ってくれている。
ママリのブランドがブレていたときがあった。
ユーザーの意見が不一致、医療系サービスのコラボレーション判断に迷うなど…
ブランド再考。
プロセス。2016/11~2018/1まで、1年強かかった。
丁寧にリブランディングを図った。
定性調査。
ママ友に代わりにもなっているという気づきもあった。
定性調査(社内にも)
半分くらいがユーザーさんと近い立場のひとがいた。
ミッションが出来た。
ブランドの輪郭をはっきりさせた。
ブランドの構成する3つの要素。
・知識の提供(補助金の制度があることを知らせる)
・自信を生む(疑問をもっていて踏み出せないひとに)
・受け入れてくれる社会への提示
ブランド素案を十分に考えた。
それぞれのロゴとそれに伴うストーリーがあった、以下は表現の一例。
リブランディングによって考える焦点が合致した。
口コミ対象のような情報も提供できるようになった(メンバーからの提案)
声を集めて、いままでできなかった社会への発信ができるようになった(厚労省との提携)
パネルディスカッション
Q&A
Q1: ブランディングの数値、振り返りの指標となるものはなにか?
Q2: ビジョンを現場に落とし込むミッションの施策は?
Q3: 最近あったプレスリリース事例など
A1:
(太田さん)
ブランディングは基本不可逆。
数字設定はしていない、それは対外的な指標。
社内的には言語化できているか、自分たちが咀嚼できたかのほうが重要。
外への指標であれば、替えたものがどのぐらい発展したか。いままでアプリだったけどそのデザインはリアル店舗でも活かせるようになったのか等。
(有川さん)
未来のスケーラビリティへの投資。ものをつくるときの軸ができるかどうかを定性的に判断できるもの。
(大湯さん)
どう成功させるか、落とし穴(白け感とか)を避けられたか。
発信に使いづらいものは、使うイメージが沸かない。
いかに成功させるか。
A2:
(大湯さん)
ママリ社ではワークショップを月例で開催している、70人強。
施策へのアイディアください、あなたにとってのママリとは?等を議題にする。
ユーザーインタビューは隔週でやっている。
日々つながっているようにする、上と横と下をつなぐ、3次元的に増やす。
(有川さん)
プレスリリース化、文書化してみる。
細かな業務がビジョンに直結するのは難しい。ビジョンをくだくのは良い。
A3:
(太田さん)
太田さんの考える良いPR事例はペイミー君。
おもしろいSNS運用は難しい、硬すぎるorすべってしまう。
カジュアルに発信する。
(有川さん)
ズボラ旅はヒトっぽさが出ている。
意思を出す、タニタさん・シャープさん、それを許容するカルチャーが大事。
(大湯さん)
ヒトケ、親しみやすさ。ミスの許容度も異なる。
Google実験では窓口シンボルを犬にするとフレンドリーだったとのこと。
Q4:
リブランディングを外に発信する目的とは?
A4:
(大湯さん)
巻き込んだほうが得。ユーザーを置いてきぼりにしない。
ユーザーと一緒につくった感を出したかった。
参加したことで役立ったという印象をもってほしかった。
仲間を増やす。声が生かされている、熱量が上がる。ファンが増える、LTVが上がる。
(有川さん)
社内だけ出すと一方通行になりがち。
ブランドは、事業体と社会をつなぐ架け橋。社会にどう役立つかの視線が必要。
メルカリ事例、前デザインから時間経って日本中で使われるようになるとどういう視点で改めるか。
Q5:
プロダクト全盛時代、ブランドつくるとプロダクトできるという世界傾向。
ブランドが先か、プロダクトが先か?
A5:
(有川さん)
プロダクトが社会を変えてほしいという思いからプロダクト先行であってほしい。
効率的に社会に伝える。相乗効果もある、社会と切り離せないので並走が望ましい。
(太田さん)
プロダクトドリブンなのは夢。ブランドをつくるのと並走するが望ましい。
ブランドがレバレッジになる。
(大湯さん)
設計ファーストでブランドがついてくる。
ブランドは知覚されてはじめてブランドになる。
ブランドをつくらずに走ったら、リブランディングは大変で1年かかった。
ナポレオンはおなじ構図で書かせ続けた、権威付け。
定義、設計。設計が大事、それに対してブランドが生まれる。
終わりに、最後の質問。
(大湯さん)
5G(大容量通信)がくる、デザインが変わる。VRが普及すると、スマホが横型になる。VR文脈で横型前提のデザイン。
動く広告、写真がデファクトになる。動きのなかに映えるデザイン。
(有川さん)
UIが存在しない方向へ。オンラインでないところでサービスがつながる。
見えるところからサービス表現の時代。目に見えないデザイン、サービスの概念化が進む。
(太田さん)
過去、アイコンをつくる戦い。
スタートアップの展開。アプリアイコンは現実に映えない。
オフラインで観ると実店舗に向いているのがメルカリの新アイコン。
講演内容、以上です。
会場施設内は柔らかな雰囲気で落ち着きある空間でした。
貴重なデザイン講演有難うございます。